怪奇愛好倶楽部。
【4.文化祭】


「文化祭?」

「そう、うちの学校、夏休み前なんだ。
 それで、4月からすでに何回かHRで
 話し合いしてて、今日決める予定。

 そういえば、編入してきてからは
 まだ1回もしてなかったな。
 今のところ候補は3つなんだけど……」

知らなかったかーと、
前の席の森口君が言った。

「もうね、2択でほぼ決まってる感じだし
 今日の多数決でどっちかに決まるよ!」

萩さんが楽しそうだ。

……その2つの内訳を早く知りたい。
きっと、彼女とは違う方に1票を投じる。

残る1つはそんなに人気が無いのかな?

そう思っていると、
授業開始のチャイムが鳴って、
学級委員長が、前へ出てきた。


「それじゃあ、文化祭の出し物について
 今日は最終決定を出しましょう。
 もう時間がないですから!
 めんどくさいし多数決でいいですか?」

なげやり感が漂う委員長。
やる気が感じられないから、きっと
彼は自分で立候補したんじゃないだろう。

そして、多数決に賛成の声が上がる。


「はい、じゃあまず屋台がいい人ー」

その声に割と多くの手があがった。

これなら問題は無いだろうから、
僕も手をあげてみる。

「えーと、……はい、じゃあ次」

人数を確認し、次の選択が告げられる。


「メイド喫茶がいい人ー」

今度は男子生徒のほぼ全員の手があがった


「予想通り男子ほぼ全員かー

 でも残念!
 許可が下りませんでした!
 ざまあみろ!無効です!」

何故だか楽しそうな委員長の声と、
落胆する男子生徒。

……聞かなければよかったんじゃ?
無効にされた人数が、多すぎる。


「はい、じゃあ次最後」

それなら、きっと次に決まりだな。
残っている生徒の数より、
屋台に手を挙げた人数は少ないから。

「お化け屋敷がいい人ーはい、決定」

……2択とは、
これと喫茶店だったんだろうか?

男子生徒の票の多くが無効でなければ、
きっと結果は変わっていただろうに!
……多分。


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