怪奇愛好倶楽部。


数年前まで、この学校の文化祭は
夏休み中にやっていました。

8月の終わりなので、休み中に
みんな凝りに凝った物を準備します。

そして文化祭が終わると、
近くの神社でやっているお祭りへ!

それが、毎年の恒例でした。


文化祭で告白して、
初デートがお祭りっていうのも
この学校ではよくある事だったんです。

その少女も、そうでした。

いい雰囲気だった少年と
その日ついに、結ばれたのです。

彼女は、告白しようと決めた時から、
もしも成功したらこれを来て
境内を2人で歩くんだ!と
お気に入りの浴衣を準備していました。

他の子にも手伝ってもらい、
無事に着付けもできました。

『可愛いって言ってもらえるかな……』

不安でいっぱいのその子は、
友達の応援を胸に、
校舎の外で彼の到着を待っていました


その時です。

外階段を使って運んでいた
出し物に使われていた大道具が、
彼女の上に落下したのは。


少女は、その浴衣姿を見せることなく
すぐに病院に運ばれましたが、
そのまま息を引き取りました。


2年後に、相手の少年も卒業しましたが
いまでもその少女は、彼に浴衣姿を
見せたくて、彷徨っているそうです。


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