怪奇愛好倶楽部。



ズルッ。


頭上から聞こえた音に、
つい嫌な想像をしてしまう。


走った振動や衝撃で、
手が落ちてしまうんじゃないだろうか。


見上げると、
てっぺんに手は、居なかった。

落とした?!


まさか、と思いつつ、背後を振り返った。

……よかった、道に落ちてはいないようだ



じゃあ、どこに?


辺りを見回すが、やっぱり居ない。


もしや、と思い、傘を回す。


クルッ



あ、在った。

手は、傘の端っこに、
どうにかしがみついていた。


頑張って、あと少しだから!


今度は傘を揺らさないように、
慎重に歩を進めていく。



あと数メートルで、学校だ。


< 8 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop