怪奇愛好倶楽部。
ズルッ。
頭上から聞こえた音に、
つい嫌な想像をしてしまう。
走った振動や衝撃で、
手が落ちてしまうんじゃないだろうか。
見上げると、
てっぺんに手は、居なかった。
落とした?!
まさか、と思いつつ、背後を振り返った。
……よかった、道に落ちてはいないようだ
じゃあ、どこに?
辺りを見回すが、やっぱり居ない。
もしや、と思い、傘を回す。
クルッ
あ、在った。
手は、傘の端っこに、
どうにかしがみついていた。
頑張って、あと少しだから!
今度は傘を揺らさないように、
慎重に歩を進めていく。
あと数メートルで、学校だ。