彩-aya-1
ただ、ただ――…
「ユウキ、そいつ連れて部屋に居とけ」
皆の様子が変なんだ。
「はい」
ハヤトの声でユウキはあたしを連れて中に入る。
中に入っても、ここは防音装置が付いてないのか、段々大きくなる爆音に怯えてる事しか出来なくて、
「ユウキ…」
ユウキを見上げても、ただ顔を強張らせてるだけで。
……何があるんだろう。
これから、何が始まるのだろう。
――怖い。
こんな世界で生きて来た事なんてなかったから。
この世界が、こんなに怖い物なんて知らなかったから。