彩-aya-1





ただ、ただ――…


「ユウキ、そいつ連れて部屋に居とけ」


皆の様子が変なんだ。



「はい」


ハヤトの声でユウキはあたしを連れて中に入る。


中に入っても、ここは防音装置が付いてないのか、段々大きくなる爆音に怯えてる事しか出来なくて、


「ユウキ…」


ユウキを見上げても、ただ顔を強張らせてるだけで。



……何があるんだろう。


これから、何が始まるのだろう。



――怖い。


こんな世界で生きて来た事なんてなかったから。


この世界が、こんなに怖い物なんて知らなかったから。




< 109 / 168 >

この作品をシェア

pagetop