彩-aya-1
しばらく、ヤナギの私服を想像しながら中庭を眺めてると、
「あ、アヤ様…」
遠慮勝ちに掛けられた声に振り返ると、
「これで……いいでしょうか?」
………。
……。
思考が回らない。
一気に体中が熱くなり、鼓動がペースを上げる。
そして何だか分からない感情が溢れだして、
「や……」
言葉も上手く発せない。
凄い。
凄いよ、ヤナギ。
「変、でしょうか?」
恐る恐る聞くヤナギに、首を横にブンブン振る事しか出来ず、
「それなら良かったです」
そう微笑むヤナギに、もう微笑まないでくれって思ったのを覚えてる。