彩-aya-1

プレゼント






「すっごい混んでますねぇ」


ヤナギの言う通りだ。


あたし達の周りは、カップルだらけ。




それなのに……なんなんだ!?

この変な視線は!!



女達と言えば、彼氏そっちのけでヤナギを甘い目で見つめてるし、……彼氏大事にしろ!!!


そう言いたくなったのを、必死で飲み込んだ。


そんなあたしと言えば……さっきから女達に物凄い形相で睨まれてる。



でも、もう怖くない。


その形相より何百倍も凄い形相をする奴が、今となっちゃあたしのすぐ近くに居るからね。


なんと言っても、あの年中無休の無愛想。


ちょっとは何かに興味を示してもいいんじゃないか、と思う。




< 153 / 168 >

この作品をシェア

pagetop