彩-aya-1
そんなヤナギに半場強制で高い料理を注文させると、噴水が出始めた。
そう、今座ってる席はこの一流レストランでの特等席。
ホテルでいうと、高級ホテルの中のスウィートルーム的なとこ。
周りがプールで囲まれてて、噴水が綺麗にイルカの形を描いては、再び水の塊となって落ちていく。
「綺麗ですね…」
ヤナギはホントに心の底からそう思ってるのか、ふわっと笑ってはそれから目を逸らさない。
いつもなら、あたしに笑顔を向けてくれるのに。
でもそれは、ヤナギがそれに目入ってるという事で、あたしにとっては嬉しい事。
「ねぇ、ヤナギ」
「はい、なんでしょう?」
やっとあたしに目をくれたヤナギは、いつも通りの優しい笑顔をくれる。
「今日……楽しかった?」
あたしにとっては、今一番聞きたい事。