彩-aya-1
第一章
転校
4月の初め頃、春というのに、桜は既に散り始め、焼き付くような太陽が、あたしの肌をジリジリと刺す。
周りには何故か柄が悪そうな奴らが、ウジャウジャ。
「……え?」
そう呟いたのはあたし、中村彩。
現役の高2。
中村財閥の令嬢。
厳しい家系に縛られ、自由が利かない。
髪は茶色がかったショート。
ホントは、伸ばさなきゃならないし、染めてもダメだけど……これは、あたしなりの小さな反抗。