彩-aya-1





そりゃあ、逆にあたしが馴染んでたら不気味だろうけど。


だから、しょーがない事はしょーがない。



しばらく走ってた車が止まったのは、それから数分後だった。


もうちょっとで寝れたというのに。


反対側から、ドアが開く音が聞こえる。



……多分、ハヤトが降りたんだろう。


ボーっとしながらそんな事を考えてると、扉が開きショウゴがニコッと微笑んだ。


「アヤちゃん、大丈夫? 降りて?」


「う…ん…」


眠気が残ったまま、車を降り、そんなあたしを見て笑うショウゴの後に続く。



「アヤちゃん、ここだよ」


「へ…?」


俯いてた視線を上げると、そこには…


「ここがハヤトの居場所。ハヤトが引っ張ってる場所ね」



……“龍蛇”と書かれた、大きい倉庫があった。




< 46 / 168 >

この作品をシェア

pagetop