彩-aya-1
そりゃあ、逆にあたしが馴染んでたら不気味だろうけど。
だから、しょーがない事はしょーがない。
しばらく走ってた車が止まったのは、それから数分後だった。
もうちょっとで寝れたというのに。
反対側から、ドアが開く音が聞こえる。
……多分、ハヤトが降りたんだろう。
ボーっとしながらそんな事を考えてると、扉が開きショウゴがニコッと微笑んだ。
「アヤちゃん、大丈夫? 降りて?」
「う…ん…」
眠気が残ったまま、車を降り、そんなあたしを見て笑うショウゴの後に続く。
「アヤちゃん、ここだよ」
「へ…?」
俯いてた視線を上げると、そこには…
「ここがハヤトの居場所。ハヤトが引っ張ってる場所ね」
……“龍蛇”と書かれた、大きい倉庫があった。