彩-aya-1





玄関に着くと、大きな門に「ヤナギ!!」と叫んだ。



すぐに中から出てきたのは、


「アヤ様、門限過ぎてます!! どうしたんですか!?」


黒タキシードに身を包んだ、好青年であり、あたしの執事のヤナギ。


「ごめん! 色々あって…」



すぐにあたしを中に入れてくれ、


「とにかく早く部屋に! 見つからない様に気を付けて下さい!!!」


お家の鍵を静かに開けてくれた。


そう、あたしのお家は前も言った通り、中村大財閥の令嬢。


門限があり、あたしは6時には帰らないといけない。



だけど、あたしがタクシーを降りたのは6時4分だった。



ヤナギは分かってる。


あたしが門限を破りそうな時は、いつも外で待っててくれる。




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