甘く甘く、時に苦く。
夢の中で
「李玖」
あぁ、これは夢なのか?
あたしの住んでいる街ではない、行ったことも見たこともない場所。
そんなに目立つわけでもなく、かと言って不細工なわけでもない少年が語りかけてくる。
『ねぇ、あなたは誰なの?』
そう問いかけた。
すると少年はあたしに微笑みかけながら
「俺は、ユキト」
と、一言。
それだけでは何もわからない。
あたしは何もかもが疑問なのだが、一番聞きたい質問をした。
『これ・・・夢?』
少しだけ首を傾げながら、少年・・・ユキトに問いかけた。
「夢・・・なんじゃない?」
ユキトは無邪気に笑うと、スッ・・・と消えていった。