彩−aya−2
目を開けるといつもの無表情のハヤトが居て、でもその顔は少し笑ってる様にも見えた。
「あ、れ…? ……どしたの?」
周りを見渡すと、カズマとヨウスケはいなくて、ショウゴが冷蔵庫からジュースを取りながら、こっちを見て笑ってて、
「……なにがどうしただ。ヨダレ垂らしやがって」
口角を上げたハヤトが居て。
「………るせぇ…」
……どうやらあたしは、寝てたらしい。
そして、温かかったモノ。
膝に誰かが掛けてくれたのか、黒い……特攻服が掛けられていた。
「これ、」
ハヤトを見上げると、煙草に火を点けながら、
「……ヨダレ垂らすんじゃねぇぞ」
あたしにそれをぶっきら棒に掛け直してくれた。