彩−aya−2
「で!? なにも書かなかった訳!!?」
「………うん」
「ぶっ!! アハハハっ!!! 追試けってぇーじゃん!!!」
「……」
人の不幸を笑うのがそんなに好きなのかよ、コイツは。
ゲラゲラ笑いながらオイル塗れの手をタオルに拭くのは、ユウキで。
「……ハヤトの癖に、解いてやがった」
そう呟いたあたしに、何故かユウキの笑いが止まる。
キョトンとした感じの顔であたしを見ては、驚いた顔をする。
「……もしかして、アヤ。ハヤトさんが天才って事知らねぇの!?」
は…?
……何を言ってるんだ、コイツは。