彩−aya−2
龍蛇の総長であるハヤトは勿論。
ユウキだって、単車な筈。
振り返れば、驚く光景だった。
あたしが乗ってるBMWは列の最前列に居て、その後ろに大きな黒いバイク。
それに跨る……黒い龍。
彼はあたしを捕えてるらしく、目を逸らさない。
そして、口パクであたしに告げた。
それが当たってるのかさえ分からない。
ホントにあたしに言ったのかも分かんないけど、
『お前は仲間だ』
そう言われた気がした。
そもそも、口パクなんてしてないのかもしれない。
でも、信じたかった。
ハヤトからの言葉を。
黒龍はあたしにそう告げると、真っ直ぐ前を見る。