彩−aya−2




でも今はそれどころじゃない。


一歩油断したら、あたし……確実に吐く。



携帯をほっとき、まずは自分を落ち着かす為に後部座席に深く座る。



でもなんか……落ちつかねぇ!!!


吐いていい!? 

マジで吐きたい!!!


気分悪ぃ…。


でもまだ鳴り続けてる携帯に嫌気が刺す。


電源切って置こうか。



……いや、その余裕なんかねぇ。


「………マジで…」


言って、焦った。


喉で止まってる“それ”が流れ出てきそうだったから。



とにかく、何か袋を…。


そう思ってると車が急カーブし、後部座席から少し腰を上げてた為、体が勢いのまま前部座席に転げ落ち、思わず吐きそうになった。


ってか、少し吐いた、のを途中で止めた。



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