彩−aya−2





それはたった一粒だけど、あたしには十分な感情だった。


気付いたら、ヨウスケに掴まれた手を振り解いてた。



そして、無我夢中に走った。



もう誰の声なのか、誰が叫んでるのか、全然聞こえなくて。


頭の中が真っ白になって、でもどんどん黒いドロドロした何かが溢れ出した。



気付くとお家の門の前に突っ立ってて、どんだけ走ったんだろって苦笑した。




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