to be
夏の陽射しの中、さらに暑苦しく話しかける良太。
「話の続きですって、『to be』ですよ。」
「…。だから、それがどうした?」
「知ってますか?」
ーカチィンー
「おい…。」
「はい?」
「しぃえむぅでぇ…見たって言ってんだろぉ?あぁ?!」
「あぁ、そうですね。そうじゃなくて、内容知ってますか?」
こらこら少年。
少年でも無いか…。
まぁいい。
ともかく、最初から、内容を知っておられますか?と、丁寧に尋ねなさい。
…とは言わず。
「知らん。」
簡潔に答えてあげることにした。
しかし、それが失敗だった。
「じゃあ説明しますね。」
良太の長い説明が始まった…。
気がつけばクーラーの良く効いた教室に着いていた。
…ぜんっぜん話聞いてなかったわ。
「それじゃ先輩、昼休みに学食で!!」
「おう!」
ふふふ、話を聞いていなかったとは思うまい。
自慢じゃないが、小難しい話は、とろろ昆布の次くらいに嫌いだ。
「朝から仲がいいな、お前ら。」
「ん?おぉ、卓。」