ヘタレの恋
急接近
高校に入学して1ヶ月。

1年生の交流を目的とした1泊合宿がある。

正直まったく興味もなかったのだが

気がついたら運営委員にさせられていた。

担任の

「じゃあ、松崎翔大よろしく。」

という一方的な言葉で決定していた。

どういうわけか、こういった雑用を任される事が昔から多い。

そして、断るだけの大きな理由も無いので「まあ、いっか。」と引き受けてしまうのだ。

今回も同じような流れで引き受けたのだが思いがけない「ラッキー」が付いてきた。

「松崎だけじゃ大変だろうし、誰かもう一人手伝ってくれる奴いないか?」

との担任の言葉に

「私がやります。」

と立候補した女子がいたのだ。

声で誰かはすぐに解ったが、信じられず声の主を見る。

「じゃあ、二宮。松崎と一緒に頑張ってくれ。」

「はい。・・・松崎くん、よろしくね。」

そう言って、二宮はオレに笑いかけた。


動機がする。


「よろしく。」

冷静に装って返事を返した。

男子の嫉妬の視線が痛い・・・。


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