ヘタレの恋
今日も放課後に二人で作業をしている。

連休を挟んでいるので、準備期間が圧倒的に少ないのだ。

なるべく彼女にかかわらないでいようと思っていたが、仕事量が多くそうも言っていられる状況ではない。

「なんでこんなに忙しい・・・。」

思わず口から出る。

そんなオレの独り言を二宮は聞いていたらしい。

「ごめんね。今日の仕事はあとちょっとで終わるから、残りは一人でやっておくよ。」

そういって、黙々と仕事を続ける。

そんな二宮の態度に苛立を覚えた。

「もうちょっと手を抜いたらどう?」

こんな状況になってもオレに頼ろうとしない二宮聞きたかったことだ。

「好きでやっていることだから。」

微笑みながら二宮はそう答える。

「たとえ好きでも、出来なければみんなに迷惑かけるだろ。」

「迷惑かけないように頑張るよ。」

オレが欲しい言葉ではなかった。

二宮にとって、オレの存在はそれほど重要ではないらしい。

「あと何が残っている?」

「えっと、日程表作成。去年のモノがあるから、そんなに時間がかからないよ。だから、大丈夫。帰っていいよ。」

二宮はにっこり笑うとまた視線を落として作業を続けた。

オレに手伝ってもらうという選択肢はもう無いらしい。

ちょっと悔しくて二宮の手元にあった日程表を取り上げた。

「ちょ・・・、松崎君?」

「・・・この辺りで休憩が必要だと思う。あと、移動時間が短すぎるな。もうちょっと時間的余裕が必要だと思うよ。」

そう言いながら日程表を訂正していく。

関わらないと決めていたけど、こうも頼りにされないと逆にオレの存在を認めさせたくなる。








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