ヘタレの恋
「付き合わせてごめんね。」

お婆さんを見送った後、二人で西山学園に向かい歩きはじめた時に彼女がポツリと言った。

「いいよ。同じ事しようと思っていたから。」

「そう?よかった。」

そう言ってオレに笑いかけた。

思いかけず向けられた微笑にドクドクと心臓が高鳴る。

おまけに自分でも顔が赤くなっている事がわかる。

ヤバいぐらいに可愛い。

「私、二宮華菜。西山学園の1年よ。あなたも、1年?」

「そう。西山学園の新入生。ああ、オレ、松崎翔大。」

慌てて自分の名前を言う。

「こんな時間に同じ新入生に会うとは思わなかった。」

「オレも。ちょっと学校をゆっくり見てみたくて。」

「私も一緒。」

そういってまた微笑む。

本当に可愛い。

ああ、早起きしてよかった。





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