I'll give…
私がそれでも彼の方に向かずにいると、
彼はついに押し黙ってしまった。
あれ?
どうしたの?
そんな風に思って、彼の方を向くと、
そこには満足そうな笑顔の彼がいた。
「ははっ、作戦成功♪お前って、案外引っ掛かりやすいのな。」
なっ…!
なんて卑怯なの?!
「ずるいっ!人が心配したっていうのに…」
「お前が無視すんのが悪い。」
だって……
って、何も言い返せないわ。
私が勝手に機嫌悪くなっただけだしね。
それから私達はしばらく無言になった。
沈黙は別に嫌いじゃないけれど、
彼との沈黙は、
また違った心地よさを感じさせてくれた。
何故だろう…?
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