I'll give…
この沈黙を破ったのは、
彼だった。
「…あのさ。俺、噂で聞いたんだけど、お前に親がいない、って…」
その話…未羽子にしか言ってないのに…。
先生にでも聞いたのかな?
「それ、先生に聞いた?」
私がサラッと尋ねると、
彼はぎょっと目を見開いて驚いた。
「あ、あぁ…職員室で偶然聞いて…」
やっぱり。
未羽子が誰かに言うはずないもん。
「それがどうかしたの?」
彼に私の生い立ちなんて関係ない。
どうしてこんなこと聞いてくるの…?
「お前、一人暮らししてんだろ?」
「うん…」
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