I'll give…

これは未羽子に聞いたのかな？
「バイトしてるわけでもなさそうだし、生活費とかどうしてんのかなって思って…」
生活費？
なんでそんなこと、あんたが…
でも、彼を見ると、
真剣な表情で私の返答を待っていた。
「親とかの遺産があるから…」
「あ、そか…そうだよな…。」
ううん、嘘。
本当は、それがお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの形見に見えちゃって、一銭も使っていない。
私は、彼の真剣な眼差しに負けて、
全てを話すことにした。
彼なら信じられるような、
そんな気がしたから…。
「ごめん。今の、嘘。」
「………は？」