I'll give…
彼に連れられ着いた先は、
ごく普通の一戸建ての家。
学校からさほど距離はなかった。
「ここ、俺ん家。まぁ、入れよ。」
言われなくても入るよ…。
そうじゃなかったら何のために来たって言うのよ。
わけもわからず学校をサボらされたので、少し不機嫌な私。
扉を開けて、私を促してくれた。
「……おじゃまします。」
「母さーん!ちょっと来て!」
彼は玄関で大きな声を出し、自分の母親を呼んだ。
声デカイな…。
「千草!あんた学校は?!…って、まぁ!なんでこんな美人連れてんのよ!」
やってきた彼のお母さんは、
40代を少し過ぎたくらいの背の低いかわいらしい人だった。
「まぁ詳しいことは中で話すからさ。お茶用意してよ。」
「それはわかったけど…、だから学校は?!」
「サボった。」
「千草ー!!あんた、また単位足りなくなるよ?!次は仮進級なんてないんだから、留年よ!」
彼とお母さんはこんな言い合いを
私の目の前で繰り広げてくれている。
これ、コント…?
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