I'll give…
第三章
ピピピピッピピピピッ…
私はケータイのアラームで目を覚ました。
6時半か…。
目をうっすらと開いて周りを見渡す。
あ、そうだ…。
私、昨日から彼の家に居候することになったんだった…。
由岐家に来て、今日が記念すべき一回目の朝だった。
東向きにあるカーテンをシャッと開けると、眩しい太陽の光が私を照らした。
「……まぶし…。」
独りこんなことを呟いて部屋を出た。
そう言えば、洗面所どこだっけ?
耳を澄ますと、一階で物音がする。
きっと碧さんだ。
私達の朝食を作ってるんだろうな。
早く仕度して私も手伝おう。
一階に降りて、キッチンまで行くと、
案の定、碧さんが朝食を作っていた。
「碧さん、おはようございます。」
「あら、小町ちゃん。おはよう。早いのね。」