I'll give…
千草の背中は、
すごくおっきくてあったかい。
安心して寝ちゃいそう…。
「全然重くねーじゃん。」
「ほんと?ありがと。」
たぶん、お世辞だろうけどね。
月に照らされて、
私と千草の重なった影が地面に映る。
それを見ただけで、私の心臓はドクドクと暴れ出した。
私はそれをごまかすように千草に話しかけた。
「私、お父さんにおんぶしてもらうの、憧れてたんだ。今叶って嬉しい。」
「俺はお前のお父さんじゃねーよ。」
彼はそう言って笑った。
そうだよね。
千草はお父さんじゃない。
私の…『特別な人』。
「千草はなんで駅前にいたの?」
千草も何か用事があったのかな?
そうじゃないとおかしいよね。
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