I'll give…
「家帰ったら母さんが、『小町ちゃんがいない』って騒いでてさ。んで、探しに来た。」
え?!
そんな…ご迷惑を!
「ごめん…。」
「いいって。母さんも過保護なんだよなー。まだ6時にもなってないじゃん?まぁ行ってよかったけど。」
心配してくれたんだなぁ…。
碧さんにお礼、言わなきゃ。
「ありがとう、千草。」
私がそう言うと、
千草は照れたのか何も返してこなかった。
それから家に着くまで、私達は互いに無言のままだった。
家に着くと、
碧さんが泣きながら私達を出迎えてくれた。
「碧さん、すみません。ご心配おかけしました。」
「小町ちゃーん!心配したんだからー!かわいいから誰かに連れ去られたのかと思ってたのよー?!」
たしかに連れ去られそうにはなってたかも…。
千草が来なかったら、
私は今頃……うわぁ、寒気する…。
「これからは遅くなるなら連絡ちょうだいね。」
「はい。」
「過保護…。」
「千草!なんか言った?!」
「べっつにー♪」
千草はそう言うと、
軽やかに階段を上がって行った。
「あんなこと言ってるけど、私が『小町ちゃん襲われてるかもね』って言ったら血相変えて飛び出して行ったのよー?」
千草も心配してくれたんだね。
ありがとう。
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