I'll give…

「こーんなキレイでかわいい小町を男が好きにならないワケないでしょっ」
そ、そうか…？
私には理解できない…。
だって、今日の朝もすっごい顔だったし、ねぇ？
こうして未羽子がプリプリと怒っている中、
ふと聞こえた女の子の声。
「未羽子、よくあんな冷たい女と一緒にいるよね。」
「ほんと、未羽子も物好きだわ…。」
こんなことを陰で囁かれるのはしばしば。
私のせいで未羽子がこんなことを言われているのかと思うと、
胸がズキッと痛くなる。
「未羽子、ちょっと気分悪くなってきちゃったし、保健室行ってくるね…。」
未羽子に迷惑をかけないよう、
私はこうして逃げているんだ。
「えぇ！大丈夫？！ついて行こうか？」
心配そうに私を見つめる未羽子。
これにも罪悪感を感じるけれど、
それよりも、
未羽子が陰で悪く言われている方が嫌だった。
そして、私はカバンを未羽子に渡して、
独り、保健室に向かった。