I'll give…
第六章
「だったら…本当に俺の『彼女』になればいいだろ!!」
何を言ってるんだ、この人は…。
正気なの…?
千草の次は、私が固まってしまった。
目の前の千草は耳まで真っ赤に染めて、
私から視線を逸らしている。
明らかに、さっきの言葉が冗談じゃない
っていうのが伝わってくる。
これが演技だって言うなら、
私、泣くよ?
「んだよっ…なんか言えよっ!」
真っ赤な顔を右手で隠しながら私に言う千草。
全然隠せてないけど…。
「千草…今の、本気なの?」
ううん。
わかってる。
ちゃんとわかってるけど……
「おぅ。こんなん冗談で言えるかっ」
千草の口から聞きたかったんだ。
これって、ワガママかな…?
< 66 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop