I'll give…
照れながらも、素直な気持ちを伝えてくれる千草を、本当に愛おしく思った。
すごく、嬉しい。
「いいの…?ほんとに…」
弱気な声で言う。
だって、私は千草にふさわしくないんじゃないかなって思うの。
千草に出逢う前は、
この体を売ってお金を稼いでたし、
私には家族がいないし、
友達も未羽子だけ…。
こんな私が、本当に千草の『彼女』になっていいのかなって、思うの。
「いいに決まってんだろ!だから冗談じゃねーって何回言わせんだよ!」
ついに千草がキレた。
あ、ヤバ…。
しつこすぎたか。
「ごめん。あり、がとう……」
私の気持ち、言葉にできたけど、
最後の方は涙で千草には聞こえなかったかもしれない。
でも、千草は私の涙をそっと指ではらって、ふわっと微笑んだ。
「小町って見かけによらず、泣き虫だよな。」
「うるさい…。」
何よ。見かけによらずって……。
どうせ私は、いつも仏頂面ですよーだ!
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