I'll give…
碧さんが夕食を作ると言うので、
部屋に行って着替えようと思った。
リビングを出ると、
そこにはもう千草の姿はなかった。
千草も部屋に行ったのかな?
そう思って玄関を見ていると、
突然扉が開いた。
入って来たのは実千夫さんだった。
「実千夫さん、お帰りなさい!」
私は実千夫さんに駆け寄ってカバンとコートを受け取った。
「おぉ!小町ちゃん、ただいま。いやー、まさか女子高生にこんなことしてもらえる日がくるとはねー。」
実千夫さんは頭を掻きながら言った。
直後、青くなる実千夫さんの顔。
視線の先には碧さんがいた。
あちゃー……
「あーなーたー?聞こえたわよ。もう今日はビールなし!」
碧さんはリビングの扉をバンッと閉めた。
そして、実千夫さんはそれをすぐさま追いかけた。
「ビールなしはきつい!機嫌直してくれよぉ!」
実千夫さんの背中を見ながら思った。
私も、千草とこんな関係になれたらいいな。
< 69 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop