I'll give…
保健室に着くと、
ドアの前に『外出中』と書かれた札が掛けられていた。
「先生、いないのか…。」
うーん…どうしよう…。
行くところが無くなっちゃったなぁ…。
………あっ!
私は突然ひらめいた場所に向かうことにした。
薄暗い階段を上り、だんだんと光に近付いていく。
古くて重い扉をキィ…と音を立てながら開いた。
広く澄み渡る青空。
馴染んだ街を一望できるこの場所。
そう、屋上だ。
久しぶりに来たけど、
あったかくて気持ちいいな…。
どうやら私以外に誰もいないようで、
貸し切り状態だった。
私は広い床に寝そべって、
青空を見つめた。
心が洗われるような、そんな気がした。
あ、ヤバい…。
このままだと寝ちゃいそうだ…。
そう思ったのも束の間。
誰かが屋上に入って来たようだ。
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