AZZURRO

そして
クリスはゆっくり雪乃を見る

「どうだ…？
これを聞いても…まだわからないか？」

クリスの言葉に
雪乃はゆっくり首を横に振った


なんだろう

ケシャの気持ちがすごく嬉しい

そして
すごく心が温かい


雪乃は無意識に
胸に手を当てていた


「ユキノ…。
お前の相手を大切に思い、信じる気持ちはちゃんと帰ってきてる。

そしてそれが…

大切にされるという事…
そして
慕われるという事になるんだ…。」


クリスの言葉が反芻する

これが…
大切にされている気持ち


これが…
ケシャの私を大切に思う気持ち



「…温かい…。」

雪乃がポツリとつぶやいた
その肩を
クリスが抱き寄せる


「その温かさが
ユキノの本当の心の温かさだ。

そして
ユキノに仕える全ての人々の気持ちだ。

決して…忘れるな。」


クリスの言葉は
深く深く雪乃の心に刻まれた

その
温かい心とともに…