AZZURRO

な！！？


なに！？


突然の事に思考回路も停止し

ブレイクの鋭い視線にとらえられ
動けなくなっていた私…


そんな私の目の前に
ケシャがブレイクから庇うようにして
立ちふさがった


「ユキノ様は渡しません！」
ケシャはブレイクの鋭い視線を跳ね返すように
大きな声で言い放った


「なんだ…？
…お前みたいなクズに要は無い…。」

ブレイクがケシャに向けて
まるでデこぴんでもするかのように
人差し指を親指ではじいた

その刹那

ケシャは音もなくその場に崩れた


「ケシャ！！！！？」


スローモーションのように床に倒れ
動かなくなったケシャ

ゆっくりと
血液がケシャの腹部からにじんでいた


なんで？
なんで？どうして！？

混乱しながらも
雪乃はケシャに手を伸ばす

微かに温かいその体は
小さく震えていた


「ケシャ！？しっかりして！！」

ドクンドクン！
鼓動がうるさく頭に響いた

じわじわと溢れる血の海
雪乃はケシャの腹部を強く圧迫した

「止血しなきゃ！！」