AZZURRO
一瞬



ほんの一瞬だけ
雪乃はクリスの温かい腕に包まれ



そして
バリトンの声が耳に囁いた

「必ず助ける。」


その言葉は
雪乃の心に溶けて大きな力となった



深い藍色の瞳は揺らぐこと無く雪乃を見つめている


「…。」


雪乃はしっかりと頷いた



今まで
人を信じては裏切られてばかりだった



今でも
人を信じるのは怖い…



でも

それでも
クリス様なら…
信じてみよう…って思える


理屈じゃなくて…

ただ
単純にそう思えた
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