AZZURRO
現れたのは
広大な海だった


黒光りする波間
果てしなく広がるその先は
夜空と繋がっている様にも思えた


「なんだ…?
海を見るのは初めてか?」


頭上から降ってくる妖艶な声

「…。」


雪乃は何も答えない

「まぁいい。
もうすぐ、この海と見間違うくらいに
広大なエイル川が見える。

そこを越えれば我が国だ。」



我が国!?


雪乃は敏感に反応した


ヤバい!

この海は国境なんだ!!

このままだと
アルヴェス帝国から出ちゃうよ…


…飛び降りようか…?


そっと
ブレイクの腕から身を乗り出して
漆黒の海を見る


飛び込めない高さではないけど…


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