AZZURRO
だが
ブレイクはすぐに視線をそらした

雪乃の中に生まれる
微かな違和感…

「エイル川が見えた来たぞ。」


「うわぁ…。」

海と川がつながる河口から
ゆっくり上流を目指す


眼下には湖の様な
巨大な川が音もなく流れていた

かるか上流は地平線に吸い込まれているようで
その長さははかりきれない


この世界にも
こんな川があるなんて


雪乃はその光景にただただ
見入っていた


すると
川岸に広がる巨大な都市が視界に入った


そして
徐々に近づいていく


「この川岸から
我がアレクサ帝国の領土だ。」


アレクサ帝国…
クリス様の宮で読んだ文献に載っていた気がするけど…

いまいち思い出せない


…でも…
ついに…来てしまったんだ…


アルヴェス帝国の…
クリス様の力の及ばない国へ…


一抹の不安が雪乃の胸を締めた

< 124 / 319 >

この作品をシェア

pagetop