AZZURRO
ブレイクは都市の中心部
高い城壁に囲まれた
大理石造りの宮殿の庭に降り立った


雪乃もブレイクの腕から解放される


松明の明かりに揺れる宮殿は
アラビアンナイトに出てくるような
神秘的な雰囲気があった


「殿下!」

すると宮殿の中から数人の男たちが走ってきた
その姿はみんな
ひざ丈の動きやすそうなキュロット姿で
腰には剣が刺さっている

そして
ブレイクの前にひざまづいた

「お迎えが出来ずに申し訳ありません。
ご無事で何よりでございました。」


「うむ。
ハビエル、これの部屋を今すぐ用意しろ。」


「は?
!!…これは…!」

ハビエルは雪乃を見た瞬間
言葉を失った


う…なんだろう…?
やな感じ…


その態度に雪乃は身を縮める


「この方は…もしや…」


「あぁ。
アルヴェス帝国第二皇子の側室だ。
掻っ攫って来た。」

どこか面白そうに
含みのある言い方


「掻っ攫って来た!!?
なんと…!!」

ハビエルは大きくのけぞった


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