AZZURRO
雪乃はビクビクしながら
2人の会話を聞いていた


これからどうなるんだろう

牢屋に入れられるのかな…?

奴隷とか?
強制労働?

ナチスドイツのユダヤ人強制収容所
の様な所に入れられる自分を想像して
思わず身震いする


でも

何があっても

生きなきゃいけないんだ…


思い浮かぶのはクリスの言葉

『必ず助ける』


不安はあったが
クリスの言葉を思い出すと
底知れぬ熱い思いがこみ上げ
雪乃はこぶしを握り締めた



「詳しい事は後で話す。
それよりもコレを休ませてやってくれ。」


「はっ。
では、…姫君、こちらへ。」

ハビエルに促されて歩き出した雪乃の背中に
ブレイクの至極妖艶な声がかかった

「逃げ出そうなどと思うな。
そんな事をすれば…地獄のような生活が待っているぞ?」


くっくっ…
と喉を鳴らして笑うブレイク

雪乃は
怖くて振り返る事が出来なかった
< 126 / 319 >

この作品をシェア

pagetop