AZZURRO
立ち去ろうとするハビエルに
雪乃は声をかけた

「あの…」

「何か?」


雪乃はここにきてからずっと気になっていた事を
口にする


「ブレイクって何者なんですか?」


ここのみんなは『殿下』と呼んでいるし
こんな立派な宮殿に住んでいる


そして
何より…ブレイクにしかない漆黒の翼


「殿下は
アレクサ帝国第一皇子:ブレイク・ロハソン様。
今は皇太子殿下にあらせられます。」


「皇太子殿下!!!??」


思わず声を荒げてしまった雪乃は慌てて口を押さえる

ハビエルはそんなの事も知らないのか?
と言わんばかりの表情で言葉を続けた


「殿下は先の皇后陛下唯一の実子。
皇帝陛下と同じ、火の民の血を引く立派な血筋の
もっとも高貴なお方です。」


「火の民…?」

確かクリス様は風の民の子孫

ブレイクは火の民の子孫…
てことは

「じゃあ、ブレイクは火を使えるんですか?」
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