AZZURRO
「皆…苦しい生活をさせてしまってすまない。
食料と水をもってきた
腹いっぱい食べてくれ。

病人やけが人はいるか?
医師も連れてきたし薬師もいる。
遠慮なく診てもらえ。」


馬から降り
民と同じ目線に立って話をする
ブレイクには
いつもの冷酷さも
無感情さもなく


ただ
民のために炊き出しを行う
素晴らしい皇太子だった


「ありがとうございます。」

「ありがたや。」


民は口々に礼を言うと
跪きこうべを垂れた


その姿だけで
ブレイクが民から信頼される皇太子である事が見て取れた


すると
民の一人が
雪乃に気付き近づいてくる


「お前さん。
この国のもんじゃねえな?

可哀想にどこかから逃げてきたのかい?」

人の良さそうな老人が雪乃の姿を見て
悲しそうに眉を寄せた
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