AZZURRO
思わず言葉を発しそうになったが
雪乃はグッとこらえる


すると
ブレイクがその老人の肩にそっと手を置いた


「この娘は
アルヴェス帝国の皇子の側室だった。

だが
ある者によって連れ去られ
酷い仕打ちを受けていたんだ。」



「あんだって!?」


「アルヴェス帝国の!?」


「そんな事をしたら
アルヴェスと戦争になってしまうじゃねーか!!」


次々に民から声が上がる


「だから
私が助け出した。
なんとかアルヴェスに帰し事が収まるようにするつもりだが

このように娘は声を失ってしまった。」


ブレイクは
雪乃をいつくしむように抱き寄せた


「すまない。
お前が受けたひどい仕打ちは
全て私が謝ろう。

本当に申し訳ない。」

涙の滲む声


はぁ?

なんなの?この芝居は?

雪乃は必死で言葉を抑えた
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