AZZURRO
「民の為に
皇后にたてつく大臣なんているものか。

皆自分が可愛い。皇后にたてつけば
その地位を奪われかねない…。

呆れたものだ…民のための政治だというのに…。」


ブレイクは
継がれた酒を一気に飲みほした



「この国は腐っている。
誰かがなんとかせねばならない。」

ブレイクの
金色の瞳に一瞬輝きが増した


雪乃は初めて
ブレイクの背負っているものの大きさに
重さに気が付いた


最高権力者に
たった一人で…
国民のために挑んでいるんだ…


だが
雪乃にはどうしても腑に落ちない事があった


「でも
それならどうして国民に
クーデターを起こさせるような
真似をするの?

下手をしたら国民が怪我をするし
皇族だって危険になる。」



「なかなかの視点をもっているな。

だが
クーデターを起こした国民を
傷つけるような真似はしない。
総括軍事長官でもある俺がさせない。


今は小さな国民の声も
やがては大きな炎となる。

そうすれば
頭の固い元老院も
御身可愛い大臣たちも無視はできない。」
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