AZZURRO
「…え?」


何があったのか理解できない雪乃は
呆然と体を起こした


飛ばされた衝撃を
広げた翼でカバーしたブレイクだが

頬には
刃物で切った様な鋭い小さな傷が出来ていた



しばらく考えた後
ブレイクが
ニヤリと頬をゆがめる


「…なるほど。
風の民の加護か…。」


その声は
どこか楽しげで
でも
すさまじい冷気を含んでいる


「風の民の加護…?」


「あの皇子は風の民の末裔。
お前をを離れていても守れるようにと
風の加護を与えていたのだ…。

くくく…
よほどお前が可愛いと見えるな?」
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