AZZURRO
クリス様が…?

私を守ってくれていたの…?


見ることも感じることも出来ない
クリスの加護に
雪乃は両手で自分の体を抱きしめた


ふわり…
と優しい風が頬をなでる


クリス様…


クリスを信じ切れずに不安だった雪乃にとって
この加護は
何よりもの救いだった


「…面白い。」


「え?」

低く響いた酷く妖艶なブレイクの声に
雪乃は背筋を震わせた


「…クーデターが始まれば
すぐにでもお前を国境まで連れれ行くつもりだったが…

気が変わった。」


ヤバい!!
危険を感じて逃げようとした雪乃を
ブレイクは簡単に腕の中に閉じ込めた


強靭な胸板と
オリエンタルな香り

無意識に雪乃の鼓動が速くなる


「やっ…めてよ!
また吹っ飛ぶわよ!!」


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