AZZURRO
雪乃たちを乗せた帆船は
無事にエイル川を上り

アルヴェス帝国領土オリポスにたどり着いた

そのまま
ハドソンの宮に向かい作戦の無事を報告する


「叔父上、ただ今戻りました。」


クリスが跪くのを筆頭に雪乃や側近たちも
ハドソンの前に跪く

「おぉ。流石は我が甥。
迅速なる作戦の遂行感心したぞ。」


「いえ。
全てはジャンや皆のおかげです。」

クリスの言葉にジャンや側近たちは首を垂れる
その様子にハドソンは目を細めた


「して…そなたが
クリスがどうしても助けたかった愛しの姫君か?」


自分の事を言われていると気付いて
雪乃は耳まで赤くなった


愛しの姫君って…

「姫よ面を上げよ。」

ハドソンの言葉に雪乃は顔を上げる

「雪乃と申します。お初にお目も氏つかまつります。
また、この度は多大なるご迷惑をおかけし
誠に申し訳ありませんでした。」


「口上は良い。それに迷惑をかけたなどと気にするな。
クリスの唯一の寵妃を見れただけでもうれいしい限りよ。
無いも遠慮はいらん。
しばらくはゆっくり休んでいくといい。」


「…ありがとうございます。」


皇帝陛下によく似たハドソンの笑顔に
雪乃は安心した


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