AZZURRO
謁見の間から下がると
雪乃は自分を助けに来てくれた兵士たち
一人一人に礼を言った

高い身分の姫君が
しっかりと手を握り深く頭を下げる姿に
兵士たちは頬を緩めた


そして

「ユキノ様。」

静かに歩み出たケシャの姿を見た時

雪乃は
思わずケシャを抱きしめた


「ケシャ!!!!」

「ユキノ様…。
ご心配をおかけしました。」


ケシャの温もりと声が
雪乃には何よりもうれしかった

「ううん。ううん。
私のせいで…怪我しちゃってごめんなさい。
本当に…無事でよかった。」


「とんでもない事でございます。
私のせいでご心配をおかけしました。
もうすっかり元気です。
ご安心ください。」


ケシャの言葉に
雪乃は何度も頷いて

なんども
その体を抱きしめた
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