AZZURRO
「この世界では
私がユキノの盾になろう。

何も心配はいらない。
誰もそなたを裏切らない。

…もう一人じゃないんだよ。

ユキノは今まで一人で
良く頑張ってきた。

もう
頑張らなくていい。

これからは
もっと私を頼ってほしい。
もっと我儘も、甘えてもいい。


何も我慢するな。」



クリスの言葉は
雪乃の全身に響いた


今まで
「頑張れ。」
としか言われてこなかった


どんなに頑張っても
先の見えない道

それでも
あの人からの…

一言が欲しくて

泥水の様な中を必死っでもがいてきた


クリス様…

あなたはどうして

私の欲しい言葉を

貧しい心を

いとも簡単に満たしてしまうの?


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