AZZURRO
クリスの宮に帰ってくると
ユキノの話を聞いた側近たちは
皆浮足立った


「さすがはユキノ様。
そんな大役を仰せつかるなんて。」

感無量といった様子でケシャが話す横で

ジャンは一人表情を曇らせた


「困ったことになりましたね。
皇后陛下の誕生祝賀会ともなれば
他国からの来賓も多い…


ユキノ様の存在はもはや隠しては
置けなくなりますね。」


「あぁ…。
アメリアの手紙はアレからどうなっている?」


「何通か手紙がきましたが
内容は全て同じで、返事も当たり障りのない
内容で書いております。」


「そうか…。
祝賀会当日はアメリアも参加するだろう。

ユキノから決して目を離すな。
そして
万が一も備えて
お前の密偵部隊にアメリアも警戒させろ。」


「はっ。
抜かりなく務めさせていただきます。」



2人の心配をよそに

雪乃は祝賀会のことで頭がいっぱいだった
< 245 / 319 >

この作品をシェア

pagetop