AZZURRO
残されたクリスは
街を見下ろして微かにため息を零す
「ジャン、例の件は抜かりないか?」
「はい。順調に動いております。」
「そうか…。
…どんなに万全を期しているとはいえ
どこか不安が残るのは私の器量不足だろうか…。」
クリアの肩が微かに震えたのを
ジャンは見逃さなかった
剣術、戦術に優れ
民に愛され
誰よりも広大な力を持つクリス様が
こんな風に己を品下なさるとは…
「私は一度も
主の器量を疑った事などございません。
そのようにお考えになるのは
それほど…ユキノ様を想っていらっしゃるのでは?」
ジャンの言葉に
クリスは一瞬だけ目を見開き
そしてすぐに
まるで力が抜けたかのように微笑んだ
「本当に
私の側近は有能なものばかりで鼻が高いな。」
幼き頃より共に育ち
幾多の困難を供に乗り越えた2人
主従関係がそこにあろうとも
2人の間には
他のもには立ち入れない深い絆があった
「やっと気づいていただけたようで
…光栄です。」
ジャンが珍しく笑みをこぼすと
クリスはどこか満足げに
歩き出した
そして
長い一日が始まる…
街を見下ろして微かにため息を零す
「ジャン、例の件は抜かりないか?」
「はい。順調に動いております。」
「そうか…。
…どんなに万全を期しているとはいえ
どこか不安が残るのは私の器量不足だろうか…。」
クリアの肩が微かに震えたのを
ジャンは見逃さなかった
剣術、戦術に優れ
民に愛され
誰よりも広大な力を持つクリス様が
こんな風に己を品下なさるとは…
「私は一度も
主の器量を疑った事などございません。
そのようにお考えになるのは
それほど…ユキノ様を想っていらっしゃるのでは?」
ジャンの言葉に
クリスは一瞬だけ目を見開き
そしてすぐに
まるで力が抜けたかのように微笑んだ
「本当に
私の側近は有能なものばかりで鼻が高いな。」
幼き頃より共に育ち
幾多の困難を供に乗り越えた2人
主従関係がそこにあろうとも
2人の間には
他のもには立ち入れない深い絆があった
「やっと気づいていただけたようで
…光栄です。」
ジャンが珍しく笑みをこぼすと
クリスはどこか満足げに
歩き出した
そして
長い一日が始まる…